きっかけと問題意識
「今度、教団の全国総会があり、全国の教会から牧師や役員が参加します。その時に教会の社会保険と牧師の将来の備えについて、ぜひお話をしてほしいのです…」
今から7年前、ある教団の厚生部長が、お茶の水クリスチャン・センター(ОCC)内にある私の事務所においでになり、上記のような依頼を受けました。その方はさらにこうも付け加えました。
「私たちの教団では、牧師の給与(謝儀)や福利厚生は、教会の宣教において最も重要なものと考えています。牧師が将来の心配をすることなく、伝道と牧会に専念できるため教会が社会保険に加入し、引退後に少しでも安定した生活が送れるようにと願っています。そのことは、教団の重要な責任だと考えているのです」
講演とその反響
この考えに共鳴した私は、その場でお引き受けしました。2017年3月、その教団の全国総会で、社会保険、年金、将来の牧師の備えについて講演しました。牧師、役員など全国から100人近くが集まっていました。
その1か月後、私の講演を聞いたある牧師夫人から電話がありました。「社会保険の重要性を聞き、早速、教会役員会で話し合い、日本年金機構に社会保険加入を申請しました。簡単に加入できました。
こんなに簡単なら、10年前に加入していたかった。教会の社会保険について今まで全く知る機会がなかったので、社会保険制度について、神学校や教団の総会などで大いに発信してほしいと熱望します」
社会保険への取り組みの意義
これが、私が社会保険労務士として、教会、宣教団体、神学校の人事労務に携わることになったきっかけです。
牧師が安心して牧会に専念できるための福利厚生制度を整備することは、キリスト教会全体で取り組んでいく課題であることを確信した出来事でもありました。以後、この取り組みは社会保険労務士としての、私のライフワークとなっています。
社会保険加入のメリット
教会の社会保険加入は、無牧教会を助けることになります。社会保険加入により牧師が将来受けられるメリットの一つは、65歳から老齢年金を多く受け取れるということです。
国民年金に比べ、厚生年金は将来受け取れる年金額が大きく、働いてきた期間やその間の給与額により異なりますが、国民年金加入者の2、3倍になります。
厚生年金をもらいつつ牧会にあたることができれば、教会からの給与(謝儀)が少なくても生活は維持できます。社会保険加入が、無牧、兼牧の教会を助けることになるのです。
現実的な課題と対応
半面、保険料の2分の1を教会が負担する必要があります、財政の厳しい教会では、国民健康保険や国民年金は、牧師の責任に任せているところも多いことでしょう。
しかし、牧師や役員が社会保険制度を理解し、教会全体で取り組む時に、社会保険加入の道が必ず開かれます。たとい社会保険加入に至らなくても、国民年金基金などの制度をうまく利用すれば、将来の年金額を増やせます。
教会全体で取り組む重要性
このように、家族を支える立場にある牧師が安心して伝道牧会に取り組むためにも、また、長年牧会に携わり引退された牧師が安心してその後の生活を送ることができるためにも、社会保険に加入できる体制を教会全体で取り組んでいくことは重要なのです。
牧師の社会保険加入はアスリート事務所にぜひご相談を
これから私は教会や宣教団体のこと、牧師の社会保険加入、引退後の備え、健康管理、さらに社会で働く教会員の定年退職後の働き方などについて、私の体験を交えながら発信していきます。
ぜひ発信をご覧になりながら、牧師の社会保険加入について具体的に相談したいと思った方はアスリート事務所にお問い合わせください。

