東京都千代田区神田で社会保険労務士を開業している富所正史です。

定年退職後60歳からの再出発には3つの選択があると思います。それぞれのメリット・デミリット、感じていることを書きます。

選択1:再雇用で働く。

選択2:転職する。

選択3:起業する。

労働保険

いろいろな働き方

選択1:再雇用で働く。

定年退職後、再雇用で働くのは最も多いパターン。今は、国が65歳までの雇用を義務化しています。本人が希望すれば、多くの会社(職場)は65歳まで働くことができます。

60歳で定年退職を迎えると、通常、退職金がもらえます。私は、かつて公立学校で8年間教員でした。大学卒業後すぐに教員になり60歳で定年退職すると、おそらく2千数百万の退職金がもらえるようです。(私の友人)校長のような管理職経験者ならもっと多いでしょう。

民間の場合、退職後は再雇用として1年ごとの更新を繰り返し65歳まで働くのが一般的。給与は従来の50%、良くて60%。「今までと同じような仕事をやっているのに給与が半分になった。」などとグチも言いたくなりますが、決して低くはありません。それが普通です。

再雇用のメリット

①65歳までの収入の見通しがつき、生活の安定を図れる。もらえる金額が半分になったとはいえ、退職直前の、給与が一番多い時の半分ですので、結構な金額です。

②「高年齢雇用継続給付金」という給付金が雇用保険から受給でき、これも大きなメリット。退職時45万円だった給与が、再雇用で60%に下がり27万円になったケースだと、27万円×15%(0.15)=40,500。この金額が毎月ハローワーク(雇用保険)から65歳まで受給できる。これは結構助かります。ただし、自分で手続きしないと受給できませんので要注意!知らない間に、ハローワークがやってくれていたなどということは絶対ありません。

③引き続き社会保険に加入できる。これは、ものすごいメリットで、社会保険から外れて初めて気づきます。65歳までに払った厚生年金保険料が将来の年金にしっかり反映されます。会社が同額の保険料を払っているので、そのメリットは計り知れません。生活の安定という面からから考えると、再雇用で働くのは最も理想です。

再雇用のデメリット 

①再雇用は65歳でほぼ確実に職を失うということ。ほとんどの場合、65歳以上は雇ってはくれません。大企業になればなるほど65歳以上の雇用は皆無だと思って下さい。つまり、65歳から先の仕事の可能性がないということです。

②仕事に決定権がなくなり、伺いをたて承認を受けないと何一つできないというつらさ。今まで部長、課長のような管理職だった方はいたたまれないだろうと思います。自分が生き生き働ける場所ではなくなってしまう、その戦いではないかと思います。

メリット・デメリットどちらとも言えない!

定年退職後、再雇用でずっと同じ会社、同じ職場で働くこと、これも素晴らしいことだと思います。再雇用され同じ会社で働くか、一度限りの人生だから新しいことに挑戦するか、こればかりは人それぞれでなんとも言えません。私は、民間会社2年(車のホンダ)、小学校教員8年(地方公務員)、私立大学事務職員27年、社会保険労務士を起業し8年(自営業)、合計45年。会社員、公務員、自営業といろいろな働き方を経験しました。多くの出会いをいただきそのすべてが私の財産です。こんなに幸いなことはありません!

長くなりました。選択2の転職する。選択3の起業するは次回に回します。