東京都千代田区神田で社会保険労務士を開業している富所正史です。写真は千葉県印西市・県立北総花の丘公園「富さんウォーキング・ランニング教室」
「自分の力で千円稼げるか?」
「自分の力で千円稼げるか?」という新聞の記事を目にし、自分ははたして「千円稼ぐ力はあるのだろうか?」と考えました。今から10年前、2010年です。「会社の名刺も肩書もすべて無くして、自分に千円稼ぐ力があるか?」そのような記事でした。
当時、将来的に起業を考えていましたが、専業主婦の妻、小学生、中学生の娘2人、生活のことを考えると、起業することに踏み出せないでいました。そのような時でしたからなおのこと、「自分の力で千円稼げるか?」のフレーズが目に留まったのだと思います。
「自分の力で千円稼げるか試してみよう!」と思いたち、今までやってきたこと、好きなこと、得意なことを洗い出してみました。私たちは、何かに挑戦しようと可能性を探るとき、結局は、今まで経験してきたことの延長線上で考えるのだと思います。
「富さんウォーキング・ランニング教室」を開講
私は、中学、高校、大学、社会人と陸上長距離とクロスカントリースキー競技をやってきたので、「ウォーキング・ランニング教室」を開催しようと考えました。そこで、マラソンでオリンピック出場3回の宇佐美彰朗(うさみあきお)さんが主催している「ウォーキング・ランニング講座」(新宿区)に通い本格的に歩きの学びをスタートしました。
ここでの1年間の訓練と多くの講習に参加し「健康ウォーキング指導士」の資格を取得し、2011年1月、自宅のある千葉県印西市「県立北総花の丘公園」で「富さんウォーキング・ランニング教室」を開講しました。
土曜日の月3回、参加費千円の「富さんウォーキング・ランニング教室」は、最初の3ヶ月は申込者5名ほどでしたが、地域新聞、市の広報紙の活用などから少しずつ情報が広がり、多いときは30名を超える受講者になりました。
同時に、小学校PTA、公民館、市役所、保健センター、カルチャーセンター、やがて東京都練馬区、群馬県前橋の教会、新潟県の保育園と依頼が来るようになりました。人前で話すスキルを磨くために「話し方教室」にも通い始めました。
「ゼロから立ち上げた経験が、社会保険労務士の起業に役立ちました。」
こうして「ウォーキング・ランニング教室」をゼロから立ち上げた経験がその後の社会保険労務士の起業にとても役立ちました。
人生における経験、職歴、好きなこと、得意なことを洗い出し、まずは小さな一歩からスタートしてみる。一歩踏み出すと、次が見えてくる、また次が見えてくる。この繰り返しの先に成功があるのだと思います。
起業は大変なことだと考えてしまいますが、起業をそれほど大げさに考える必要はありません。起業というと、会社を立ち上げ、事務所を構え、人を雇いと考えますが、ほとんどは必要ないものばかりです。
定年後の起業は、独立して自分一人で仕事をするということ。実際、私は従業員もいなく一人でやっていますし、今のところこれで十分です。仕事が来なかったらどうする?と心配しますが、普通に誠実に心を込めて仕事をしていればそこそこ食べていけます。まずは、第一歩を踏み出す勇気です。