社会保険労務士(社労士)で年金アドバイザーの富所正史です。

障害年金を専門にやっています。この仕事をやるようになって多くの方からお電話いただきます。

精神疾患の30代の娘さんをもつお母さんからいただいた電話です。

「生きている意味がない!ただ、年だけとって行く。何もできないでいる。この世から消えていなくなりたい!」と訴える娘をどのように励ましたらよいでしょうというご相談でした。障害年金の話しが一段落した後、このような母親としての苦しい胸の内を話されたのです。

私は、障害年金を専門にやっていますから、初めて医者に行った(初診日)はいつですか?その時加入していたのは国民年金でしたか?厚生年金でしたか?と尋ねます。

多くの方が国民年金ですから、認定されたら、障害基礎年金6万5千円と支援給付金5千円で月7万円受給できますと伝えます。

月7万円ではとても生活できる額ではありませんが、それでも、あと8万円をアルバイト・パートで働くことができれば、何とか生活できる最低限の15万円にはなります。

病の身で月15万円稼ぐのは困難ですが、7万円を障害年金から、あと8万円をパートやアルバイトでと考えると少しは心の負担が軽くなるのではないかと励まします。

そのようなことを言いつつも、結局はお金の話ししかできないことに気づき、お金がどれほどこの娘さんの心の支えになるのだろうと思うとつらい思いがいたします。

30代、40代の比較的まだ若いという方々が、生きることに苦しんでいる現実をこの世界に飛び込んで気づきました。

このような病の方々が、自己肯定感と尊厳を失うことなく生きることができ、自分は生きていてよいのだと思えるようになって欲しいと思います。

こうした方々にも働く道が備えられ自活できる道が一刻も早く訪れることを心から願っています。(2023.2.14)