東京都千代田区神田で社会保険労務士を開業している富所正史です。
社会保険とは、健康保険(介護保険含む)と厚生年金のこと。社会保険に加入すると保険料は本人と事業所が折半します。半分は事業所が負担するので、当然と言えば当然ですが、「加入する前に負担していた国民健康保険と国民年金の保険料合計」と「加入後の本人が負担する保険料」を比較したら、社会保険加入により保険料は安くなる場合も多いです。
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今年多かった仕事は、社会保険の加入。私は、キリスト教会、宣教団体、キリスト教主義幼稚園・保育園に遣える社会保険労務として活動しています。その中で「教会の社会保険加入」に深く関わることになったきっかけを話します。
4年ほど前、ある教団の厚生部の責任者2人が私の事務所においでになり、全国総会で、「社会保険加入のメリットと重要性」についてプレゼンテーションをして欲しいと依頼を受けました。総会は茨城県羽鳥の神学校で開催、当日は150名ほどの教職者・信徒が集まりました。
その中で厚生部長は、冒頭次のようにメッセージされました。
「教会の教職者が社会保険に加入することは、無牧の教会を救い、献身者を増やす!」
社会保険に加入し、将来受給できる年金額が多ければ、やがて一線を退いた牧師が無牧の教会や給与(謝儀)が多く出せない小人数の教会に赴任できる。また、将来、家族の生活の保障の見通しが立つなら献身をめざす者が多く生まれる。
そのためにも、社会保険加入は教団、教会が力を合わせて取り組む課題であると強調されました。「厚生年金加入は、無牧の教会を救う!」はまさにその通りでその発想に感動しました。
30分ほど「社会保険加入のメリットと重要性」をプレゼンテーションし、やがていくつかの教会が社会保険に加入しました。加入した教会の牧師夫人から次のように言われました。
「自分が所属している教会は、宗教法人があり、社会保険加入の手続きをしたら簡単に済んだ。今まで、神学校でもどこでも社会保険について教えてもらったことがなかった。神学校でこのようなことを教えてもらっていたら、10年以上前に加入できていた。社会保険労務士としてこうしたことを多くの機会に発信していただきたい。」このような励ましをいただきました。
厚生部長さんの「社会保険加入は、無牧の教会を救う!」、そして牧師夫人の「多くのところで社会保険制度を啓蒙して欲しい」の言葉から、社会保険に深く関わり、その働きを進めています。
少し具体的な話になりますが、自分で市役所に行き手続きする国民年金は20~60歳の最長40年間加入します。その場合、老後に受給できる年金額は月6万5千円。一方、20代で厚生年金に加入した場合、給与額にもよりますが、年金受給額は国民年金だけだった方の2.5~3倍になります。
教会が保険料の半分を負担することにはなりますが、牧師本人が負担する保険料は「社会保険に加入することで、加入前の国民健康保険と国民年金の保険料合計に比べ安くなる」ことも大いにあります。