社会保険労務士(社労士)の富所正史です。
ラーメンで起業を考えている人は、修行後にラーメン店を開きます。
社会保険労務士で起業した人は、起業後何をする?「就業規則作ります。20万円」「社会保険の加入手続き全部やります。5万円」「労働相談お受けします。1時間5千円」と相場としてはこんなものではないかと思います。
定まった料金表はなく、全部自分で料金設定をします。「労働相談お受けします。1時間1万円」という人もいます。
開業して3年ほどは、何を専門にして良いかわかりません。ですので「何でもやります!」とアピールしたくなりますが、逆に専門性に乏しく仕事がなくて困っている人と思われてしまい悩むところです。
私も起業した最初の3年間は、何を専門にしたら良いかわからず途方に暮れていました。しかし、3年も経つと自然と進むべき道が定まってきます。私の場合は「障害年金」でした。
社会保険労務士は「年金の専門家」と言われますが、社会保険労務士で年金を仕事にしている人は1割もいません。年金の中でも「障害年金」に特化して仕事をしている人は100人に2~3人いるかどうか?それほどマイナーで特殊な分野です。
私は、この障害年金にやりがいを感じ、一生涯この仕事でやって行きたいと思っているほどです。今日はこの障害年金のことを書きます。
障害年金は、病気やケガで働くことが難しくなったとき、日常生活を送る上でハンデを背負った人を助ける国(厚生労働省)の救済制度。ありとあらゆる病気やケガが対象、要件を満たせば働いていても受けることができます。
いくらもらえる?と気になるところですが、私の経験では、月6~15万円程度。1級から3級(1級は重度)、国民年金加入か厚生年金加入か、扶養している家族はいるかどうかでかなり差があります。
皆さん、一様に「障害年金という国の制度があったなんて全然知らなかった!」と言います。知っていたら10年前に手続きしていた。年100万円受給できるとして10年だと1000万円、そしたら、こんなに生活に苦しまなくても済んだのに!と言われる方もいます。
この制度の素晴らしさがどうしてもっと認知されないのか?国はこの制度を国民になぜもっと発信しないのか不思議でしかたありません!「障害年金もらい忘れていませんか?」と新聞、都道府県や市区町村の広報でどんどんアピールしていただきたいです。
この制度を知らず、苦しい日々を過ごしておられる方々がたくさんいます。私のところにおいでになる方の8割は、精神(心の病)です。是非、勇気を出して一歩踏み出していただきたいです。
障害年金をもらうことにためらう方もいますが、国の制度は、誰でも受ける権利があります。ですから、障害年金を「国に請求する」という言い方をします。誰でもあたり前に請求して良いのです。
「障害」という言葉に戸惑い、その響きに傷つき請求をためらってきた方も多いと思います。家族から「そんなことしたら、本当に障害者になっちゃうぞ!」と反対され理解を得られずあきらめた方も多いのではないでしょうか?
私は、「障害年金は一時的な困った時の国からの給与」と伝えます。回復して少しでも元気になって、今度は自分が働いて他の人のお役に立つ、そう考えたら良いのです。
障害年金は国が定めた制度、一定の障害の状態に該当すれば誰でも受け取る権利があります。誰でも幸せになる権利があります。障害をもっていても希望をもって自分らしく生きていける、そのための支援にこれからも最善をもって取り組んで行きたいと思っています。(2021.12.17)