社会保険労務士(社労士)の富所正史です。

教会から多い相談に、「牧師引退後の備え、そのために今からできることについて教えて下さい!」があります。

私は、仕事がら公的年金の相談、申請手続きを行っています。ご相談いただいた質問に次のようなものがありました。

Q牧師の老後について教会が事前にできることはありませんか?

Aできる限り早い時期に教会は、厚生年金に加入する。厚生年金は、その牧師の年収が多ければ多いほど、働いた期間が長ければ長いほど多くもらえるので、できるだけ長く社会保険に加入し、教会奉仕に励んでほしい

厚生年金加入に加入することで将来受給できる年金額は、確実に増えます。

年金を受給している人の平均ですが、厚生年金受給者は、月14万7千円、国民年金受給者は月5万2千円。14万7千円は、国民年金部分を含んだ数字。2017年(平成29年)。

「もらっている年金額:厚生年金受給者は国民年金受給者の約3倍受給している!」

厚生年金に加入すると、本人と教会で保険料を折半します。給与額30万円の場合、厚生年金保険料は、月55,000円。これを本人と教会が折半します。本人の給与(謝儀)から27,500天引きし、それに教会が同額負担し、55,000円を国に納めます。

給与が40万の場合、厚生年金保険料は、月75,000円。折半ですから、本人37,500、教会37,500円。

保険料の高さに驚きます。教会も結構負担しますね!

厚生年金に加入することで、高い保険料を払うことになりますから、将来受給できる年金額も多くて当たり前と言えるかもしれません。

今日は、教会が社会保険に加入すること=牧師も社会保険(健康保険・厚生年金保険)に加入。引退後の年金は、手厚くなる一方で、教会も負担が生じ、その負担額も結構な金額になるということをお伝えしたかったです。

教会の会計担当者・役員会で良く検討し、可能なら、是非とも社会保険に加入いただきますようお願いいたします。

次回は、国民年金加入の牧師が老後の年金を増やす方法をお伝えします。(2021.6.19)