今回は「厚生年金」です。
公的年金には、「国民年金」「厚生年金」「共済年金」の3種類があり、その人の職業により加入する年金が決まっていました。
「好きな年金にどうぞ!」ではなく、職業によって自動的に決まってしまう年金制度。自営業・学生などは「国民年金」、会社員は「厚生年金」、国家公務員・地方公務員・私立学校の教職員は「共済年金」でした。
平成27年10月、今から5年前に公務員などが加入する共済年金が厚生年金に統一されました。民間のサラリーマンや公務員が同じ保険料を負担し、同じ年金を受給するという公平性も統一された要因の一つです。それにしても今まで共済年金が良すぎましたね!(恵まれていた。)
私は8年間公立学校の教員でしたが、「学校の先生と結婚すると将来安心!」そんな雰囲気が確かに職場にありました。退職を迎える校長、教頭が職員室で老後の年金の話しを楽しそうにしていたのを覚えています。
厚生年金加入者が、老後の年金を増やす方法は次の方法しかありません!
「毎月の給与額を大きく」×「厚生年金に長く加入」
将来、受給できる年金額を長方形の面積とすると縦は給与額、横は厚生年金加入期間。増やすには、縦も横も大きくする。給与額を大きくするのは難しいので、厚生年金に長く加入すること。
現在は70歳まで厚生年金に加入でき、払った保険料はすべて将来の年金に反映されます。70歳まで厚生年金に加入して働くことで、ある程度の収入を確保し、年金開始を65歳ではなく70歳にしたら(繰り下げると言います。)年金は42%アップします。結果、70歳からは142%の増額した年金が生きている限り受給できます。
ついでに来年、2022年4月から75歳まで繰り下げが可能になります。65歳から受給できるのを75歳と遅くするとなんと85%の増額。75歳から185%で一生涯受給できるということです。
ところで、あなたならこれをしますか?私は怖くてとてもできません。75歳から受給開始で、増額は嬉しいですが、80歳になる前に死んだら元も子もない気がします。
国は何でこんなことをするのだろう?と思います。おそらく間違いなく、①65歳以降も現役で働く人を増やす。「遅くすればするほど割り増しが大きくなるんだったら、年金もらうのはもう少し遅くていい!まだ働きます。」という人を多くする。②そして、できる限り70歳まで働いてもらい、現在65歳年金開始を将来は70歳開始にする。その第一歩ではないかと思います。年金アドバイザーの私はそう思います。
結論:老後の厚生年金を増やすには、長く働き、厚生年金に長く加入するということ。余裕があれば、65歳からの老齢年金受給開始を遅くし70歳にした場合、142%の割り増しで一生涯受給できる。
その場合、65歳から受け取り始めた場合と70歳から受け取り始めた場合の損益分岐点は82歳。82歳以上生きれば、繰り下げはお得。
82歳が分岐点ですので80歳前に亡くなったら元が取れない。「他の人と同じ65歳からもらっておけば良かった!」と天国で後悔することになります。
年金について詳しくお知りになりたい場合、遠慮なく、メールや電話でご連絡下さい。無料です。可能な限り時間を割いてご対応いたします。(2021.2.23)