社会保険労務士(社労士)の富所正史です。
国に納めている年金保険料、貯蓄と勘違いしている人がいますが、これは、保険料です。公的年金の考えはあくまでも保険です。
保険は将来起こるリスクや災難に対してみんなで少しずつお金を出し合って備えるもの。お金を出し合う=つまり保険料を納める。これが保険ですね。どんなリスク、災難に備えるのか?年金には3つあると覚えて下さい。
①「老齢年金」年をとって働けなくなる。そうすると収入がなくなってしまう。これは、大きなリスク。会社員なら定年退職、自営業の人なら廃業したなど。
年金の一番大事な役割はこの老齢年金かもしれません。すべての人が一様に年を取りますから。原則65歳から受給開始。
②2つめ、病気やケガで障害を負ってしまったときの保障で「障害年金」。年齢に関係なし。
私が手続きした中で、20歳になったときから障害年金を受給できたケースがあります。高校生の時、心の病(うつ病)を発症し、本人が20歳になった誕生月の翌月から、障害年金2級に該当したので、月6万5千円受給。年齢は関係なしですね。
20歳前に初めて病院に行ったときには、まだ10代なので保険料は払っていません。20歳前は保険料納付義務がありませんので、保険料払っていなくてもOK。
③3つめが世帯主、家の大黒柱の人が亡くなった時、残された遺族に対する生活保障。「遺族年金」
一般的には、高齢の夫婦で夫が先に亡くなった。残された妻に遺族年金が支給される。このようなケースが圧倒的に多いですね。
夫が若くして30代で亡くなり、残された妻や子に遺族年金が支給されるようなケースもあります。年齢に関係なし。
3つの年金は別々ではなく、いつでも該当したら対象になります。老齢年金に加入してるけど、障害や遺族年金には加入していない、などということはないわけです。
老齢年金、傷害年金、遺族年金の3つがあるということ知っておいて下さい。
公的年金の保険料はとても重要です。必ず払っておく、事情があって払えない場合は、免除申請をする。障害年金を国に請求(申請)したいと依頼を受けましたが、滞納期間が長く請求できなかったというのを2件経験しました。
30代後半の男性でしたが、年金事務所で調査した結果、過去に保険料を払っていない期間が多く、日本年金機構から障害年金の請求は不可と言われ、そのことを男性に直接伝えました。
その時、「生活保護だけは受けたくない!」と机に突っ伏して言いました。生活保護は受けたくないと言った男性の声が、2年経ちますが未だに頭から離れません。精神を病んでいた彼が、今どうしているか?生活は大丈夫か?と気になります。
1ヶ月でも不足していたら受け付けてもらえません。驚くほど厳しいです。保険料を払わないでいる「滞納」は絶対に避けましょう!これは、無断欠勤しているのと同じ。同じ欠勤でも、きちんと理由を伝えておくのが免除。さらに
- ねんきん定期便で自分がいくらもらえるかはしっかり把握。
- もっと額を増やしておきたい場合は、確定拠出年金・個人型のイデコなど。できるだけ早い内、若い内から将来に備えておきましょう。
今日は、年金の基本をお伝えしました。(2021.6.29)