社会保険労務士、年金アドバイザーの富所正史です。

社会保険労務士(略して「社労士」と言うことが多い。)は普段、どんな仕事をしているか知っていますか?

今から5年前の11月、千葉県船橋市の古和釜(こわがま)高校で出前授業をやりました。体育館に集まった170名ほどの3年生に「将来、社会に出る君たちに!」というタイトルで45分×2コマ話しました。

社会で働くということ、労働基準法、年金の話しなどしました。冒頭、「社会保険労務士知っている人?」と聞いたらだれも手を挙げません。「聞いたことある人?」と言ったら3人ほど手が挙りました。めんどうくさくて挙げない生徒もいたでしょうが、社労士が何をする人かわかる生徒は100人いて2,3人くらいではないかと思います。それほど知られていない職業です。

そこで、5回にわたって「こんなにおもしろい、社労士の仕事!」「今こそ出番、社労士さん!」このような内容で私が日々どのようなことをやっているか、体験も含めて書きます。

社労士になってわかったことの一つ。社労士になる人の9割は一度社会に出てからなっています。おそらく9割よりもっと多いかもしれません。長年、会社員・公務員として働き、その後、社労士試験を受験し合格、開業します。開業すると自分が働いてきた分野で顧客を開拓して行く人が多いです。その世界がよくわかるからです。

公務員を退職して社労士になる人、司法試験を長年受験したがなかなか合格にいたらず社労士になる人も結構います。法科大学院で学んできた社労士は民法など法律にとても精通しています。

かつてトラックの運送会社で10年働き社労士になった人がいますが、開業後、東京、千葉県内の運送会社をターゲットに顧問先をどんどん増やし、3年後には駅前ビルに事務所を構えました。

反対に、弁護士、公認会計士、税理士などは、大学時代から受験に取り組み、ストレートでその世界に入る人が多く、会社などで働いた経験の無い人も多いです。

一度は社会で働いた後、開業していますので、年齢が高い人が多く40歳の社労士は若い方です。若いと重宝がられ何かと役が回ってきます。「またかよ~、これで役3つだよ!」などと不満言いながらも集まりごとに飲み会があるので楽しそうに役をこなしている人もいます。

社交的な社労士に役が多くまわり、そういう人は営業も上手いので仕事もしっかり取ってくるようです。人脈づくりが上手い人は得です。社長など経営者と一緒に話しが盛り上がる人のところに仕事が舞い込み、陽気で社交的な人のところに仕事が降ってくるようです。

社労士をめざすなら、年齢は関係ありません。実際、私は、50歳の時受験を思い立ち53歳で合格、準備期間を数年過ごし開業しました。60歳定年退職と同時に開業する人も結構多いです。(2021.3.6)