社会保険労務士(社労士)年金アドバイザーの富所正史です。
前回、収入を得る方法は「顧問契約」と「スポット契約」の2つあるとお伝えしました。今日は、開業当初、先輩社労士から言われた厳しい一言をお話します。
開業直後、どのようにしたら顧問先(顧客)を開拓できるか、活躍している社労士事務所にアポを取り訪問させていただいていました。これは、飛び込み営業同様、かなり勇気のいることでしたが、少しでも顧客開拓の方法を知りたく手土産持参で何カ所も訪問していたのでした。
千葉県内の駅前ビルで開業している男性社労士を訪問した時、厳しく言われたことは、「仕事を安価で請けるのは絶対にしないでください!」でした。
次のようなことでした。社労士は仕事を請けるときの価格(報酬)は自分で自由に決められます。一般的には、就業規則作成は20万円程度だと思います。それを、「社長!就業規則作成、普通は20万円なんですが、5万円でいいですよ!妻が公務員でわたしはそんなに稼がなくていいので・・・」こんな感じで安く請ける人だっているでしょう。
このように、家族が公務員で安定した収入がある、あるいは、自分はある程度の年金をもらっている場合などは、他の人の半分の価格で請けることができます。それでも生活に特に支障はありません。
しかし、このように価格を極端に下げた場合、「社労士業務の価値も下げてしまい、結局は、自分の首をしめ、社労士業界全体の衰退につながる」このようなアドバイスでした。
当初は良く理解できませんでしたが、多く経験する中で先の言葉が良く理解できるようになりました。
毎月いただく顧問料が4万円と8万円2つの事業所があった場合、仕事にかける時間は当然8万円の方が多くなくてはいけません。いただく報酬に見合う成果を出しているかどうか自分に問いかける必要があります。
今日は、極端な報酬の値下げは、自分自身の首を絞め、社労士業務の価値を失わせ、社労士界の衰退につながるということをお伝えしたかったです。
もう一つは、「契約する人は契約するが、しない人はどんなことをしても契約しない」ということ。自分の営業力不足、やり方のまずさなどと考えなくて良いと思うようになりました。「契約しない人のところからは丁寧に早く切り上げ、契約する人を探す」これが重要だと思います。
この4月で開業9年目に突入。日々いろいろことを経験し学んでいます。これらを糧に新しい年度も精いっぱい励んで行きたいです。(2021年4月7日)