東京都千代田区神田で社会保険労務士を開業している富所正史です。
今日は、「年金保険料未納」で数百万円がパーになったという話をします。
今から数年前、男性の方が私の事務所においでになり、障害年金の申請(請求)を依頼されました。かなり前からうつ病を発症して、重い腰を上げてようやく私のところに相談にきたのです。
相談においでになるとまず行うことは、①「委任状」を作成②次に、年金事務所に訪問日を予約。通常、予約が取れるのは2週間後③「委任状」持って年金事務所を訪問し、その方が保険料をどれだけ納めているかなど詳細に調査します。
このように段階を追って進めます。症状が重く、障害年金を受給できると思われる方でも、保険料をある程度きちんと納めていないと日本年金機構に申請できません。
この方の保険料を納めた期間を調べたところ、わずかに不足していました。年金事務所の相談員と確認しましたが、どうしても足りません。納付した履歴をみると、数年分まとめて、払える時に払っていたようです。「保険料納付期間がわずかに不足で申請できません。」とお伝えした時、「生活保護だけは受けたくない!」と頭を抱えて机に伏した男性の声が今でも忘れられません!
「年金制度はあてにならない!」「将来、年金はもらえるかどうかわからないから、保険料払っていない!」などと滞納していると、イザという時大変なことになります。
障害基礎年金2級に認定されると年間約78万円。高校卒までの子が一人いると22万円加算され約100万円、(10年間受給したと仮定すると)100万円×10年=1000万円。今回、申請できていたら認定されたケースではないかと経験上思います。保険料の未納期間が多く、もらえた可能性のある障害年金が受給できませんでした。
年金の世界で、保険料滞納はとても怖いこと。生活が苦しかったら、市役所で免除の申請をしましょう!どちらも保険料を払っていないという意味では同じですが、例えれば、滞納は無断欠席、反対に免除は、体調が悪いのでと休みますと事前に連絡して休むようなもの。この方は病で働けていませんでしたから免除の届けをしていたら申請できたケースです。今日は、「保険料の滞納は絶対にしない!」ということをお伝えしました。