社会保険労務士(社労士)の富所正史です。

関東のある教会役員の方から、「牧師の退職金(慰労金)を積み立てているが、最近話題の積み立てNISA(ニーサ)とiDeCo(イデコ)どちらがいい?違いを教えて下さい!」と連絡いただきました。

銀行に預けていても、利息はほとんどつきません。よりよい退職金の運用を役員が検討している教会の牧師さんは、ほんと幸せですね!

私は、社会保険労務士ですので公的年金(国民年金・厚生年金)や公的退職金制度である中小企業退職金共済など、国の制度は、仕事で多く扱いますが、資産運用は、経験がありません。

そこで、6月15日、私の事務所から徒歩10分の神田郵便局(秋葉原駅すぐ)の営業部を訪問し、「NISA」と「iDeCo」について1時間ほど説明を受けてきました。

結論

①比較的年齢が若く、お金に余裕があるわけではない、必要になった時、資金をいつでも引き出したい方は「NISA
20歳以上なら誰でも加入でき、引き出しはいつでも可能。結婚、子の入学金や学費、ライフイベント、何かあったときの備えは「NISA」

②そろそろ将来の年金が気になる。60歳まで資金を引き出せなくても大丈夫。自由に引き出せない方がかえって良い方は「イデコ
自分で金額を決めて60歳まで積み立て、老後になったら引き出すという、老後資金が目的の方はイデコ。

③今回の相談のあった教会の牧師さんは、年齢的にも中堅、引退後の生活として退職金(慰労金)を考えておられますから「イデコ」がお勧めですね。

若い方なら、手軽な「NISA」、やがて「イデコ」に移行するという手順でも良いかと思います。

主な共通点と違いを列記すると

  • 通常、「運用で得た利益」(運用益)には20%課税されるが、NISA、iDeCoともに、運用益に対して税金がかからない。これは共通。  
  • NISAは最低100円、iDeCoは5,000円から投資を始められる。 
  • 1年間に投資できる上限金額は、NISAで40万円、iDeCoは勤め先など条件によって変わるが、14万4,000円から81万6,000円。 
  • NISAは最長20年、iDeCoは60歳まで投資できる。 
  • iDeCoは拠出した全額が所得控除になり、所得税・住民税の節税に効果大。

(2021.6.17)